
物理層は通信に用いるケーブルや機械についての大きさや形や中の仕組み、そして配線の仕方等も定めいます。
データリンク層はとなり合う機器同士で通信出来る様にする役割を担っており、通信の往路と帰路を区別したリ通信速度を決めたり近くにいる機器同士だけで使えるアドレスを決めたりしています。
問題集はコチラ
目次
ネットワーク機器
 あわせて読みたい
通信配線
配線における規格
 あわせて読みたい
トポロジ
ネットワークトポロジ
- コンピュータの接続形態を示すもの。
 - ネットワークにおいてノードがどのような形で接続するのかを示すもの。
 - ノード とは PCをはじめサーバー、スイッチ、ルーター等のネットワークへ接続される機器のこと。
(データリンク層ではステーション という。) - バス型、リング型、スター型、メッシュ型がある。
 
物理トポロジ
ノード(ハードウェア)がLANケーブルにて接続されている形を示す。
論理トポロジ
データの流れに着目する。(物理トポロジーと論理トポロジーは一致することが多いが、ケーブル接続の形と実際にデータが通信される形が不一致なこともある。)
データリンク層の技術
データリンク層での通信の考え方
MACアドレス

- 48ビットで表す。
 - メーカーごとに固有の番号が付けられる。
 - 前半24ビットはベンダコード(OUI)
 - 後半24ビットはベンダ内で割り振っている番号
 - 工場出荷時から付けられている。
 - 16進数で表記する。
 - ブリッジやスイッチ、およびPC等の機器は認識している。
 
Ethernetフレーム
- データリンク層でのPDUはフレーム。
 - 最初はDIXで開発され、その後IEEEによって標準化された。
 - 現状ではどちらも対応している機器が多い。VLANは対応しない機器もある。
 - DIX仕様とIEEE仕様でわずかにフレームの内容が異なる。
 
CSMA/CD方式
- Ethenetにおける通信方式
 - 送信前に通路が開いているか確認する。
 - 通路が開いていればデータを送信する。
 - コリジョンがあればランダムな時間待って再送する。
コリジョンとは信号同士の衝突のこと。 
トークンパッシング方式

- トークンと呼ばれるパケットを巡回させる。
 - トークンを取得すると送信権を得られる。(つまりトークンがデータを運ぶイメージ)
 - 混雑時の性能低下が比較的少ない。
 - 混雑していない時にトークンの待ち時間がある分遅くなってしまうことがある。
 
コリジョンドメイン
- データーが衝突する可能性のある範囲のこと
 - ハブはポートすべてが1つのコリジョンドメイン
 
ブリッジとスイッチ
- スイッチはポート毎に1つのコリジョンドメイン
 - スイッチやブリッジはポート全てでコリジョンが起こらない。
 
コリジョンドメインの具体例


ブロードキャストドメイン
- ブロードキャストアドレスの届く範囲
つまり同一LAN内全ての機器 - ブロードキャストドメインはルータで分割される。
 
ブロードキャストドメインの具体例


ブロードキャストドメインもコリジョンドメインも数えてみる



スイッチの機能
スイッチの基本動作
- MACアドレステーブルを持っている。
(どのポートにどのMACアドレスが接続されているかを記憶している。) - フレームの送信元MACアドレスがMACアドレステーブルにない場合は、登録する。
 - フレームの宛先MACアドレスをMACアドレステーブルに照らし合せる。
- 登録されている場合、対象ポートにフレームを送る。
 - 登録されていないの場合は、全ポートに送る。フラッディングという。
 
 
半2重、全2重、オートネゴシエーション
- 半2重は通信を片方向ずつ行う。
 - 全2重は通信を両方向同時に行う。
 - オートネゴシエーションは半2重か全2重かを自動で判別し、適用される。
 
フレームの転送方式
- フレームの転送方式には以下の3つなどがあり、転送速度に違いがある。
- ストア&フォワード方式:イーサネットフレーム末尾のFCSまで蓄えてから転送する。
 - カット&スルー 方式:送信先のMACアドレスが分かりしだいデータの転送を開始する。
 - フラグメントフリー方式:フレームの先頭64bytesを見込んだ後に転送する。
 
 
スイッチのフロー制御
- 高速化の一環としてバッファメモリを使用している。
- 受信フレームを一旦バッファメモリに入れる。
 - バッファメモリから別のポートへ転送する。
(転送したらバッファメモリからは消される。) - バッファにたまりすぎて容量を超えたら、破棄される。
 - 破棄されてしまった場合は、届かないため上位階層の機能で再送することになる。
 
 - バッファメモリの容量上限が迫ってきたら(あふれる前に)送信を止めてもらう様にすること。
 - (半2重の場合)ジャム信号を出す。
 - (全2重の場合)PAUSEフレームを出す。
 
スイッチのセキュリティ
- フレームのMACアドレスを判別して通信制御が可能。
 - ポートをダウンさせるなどの措置がとれる。
 
スパニングツリー
- 障害対応のため冗長化(通信経路を2種類以上用意する)を行うことがある。
 - その場合、ループが発生してしまう恐れがある
 - スパニングツリーによってポートの有効・無効が制御される。
- 普段はループにならない様に、適切なポートが無効化されている。
 - 障害発生時は、自動的にポートが有効化されて通信経路が確保される。
 
 - IEEE802.1Dで定義されている。
 
リンクアグリゲーション

- PCやスイッチの間をケーブルで接続して使える状態になっている物を(物理)リンクという
 - 複数の(物理)リンクを束ねて1つの(論理)リンクに見せかけて使うこと。
 - 高速化できる。
 - 障害時でも残った(物理)リンクで通信できる。
 
VLAN

- (物理的な配置・配線とは異なる経路で)仮想的にスイッチを設けることが出来る。
 - VLAN対応しているスイッチ(やそれ以上の階層の機器)に設定する。
 - 物理的につながっていても異なるVLANとは通信出来ない。
 - たとえば上の図の場合
- 同じVLANである [PC A]と[PC B]は通信が出来る。
 - 同じVLANである [PC 1]と[PC 2]は通信が出来る。
 - 違うVLANである [PC A]と[PC 1]は通信出来ない。
 - 違うVLANである [PC B]と[PC 2]は通信出来ない。
 
 - 複数のスイッチを跨いでVLANを使うにはIEEE802.1Q = タグVLANを利用する。
- イーサネットのヘッダにVLANタグが挿入される。
 - スイッチ(やそれ以上の階層の機器)間を跨がない場合は、VLANタグは無し。
 
 
Ethernet

- イーサネットは現在もっとも普及している屋内で用いられる物理層・データリンク層の技術である。
 - 他と比べて制御の仕組みが単純。
 - NICやデバイスドライバが作りやすい。
 - そのため、機器が安価。
 
イーサネットの接続形態
- イーサネットの普及当初
- 同軸ケーブルでの接続だった。
 - バス型の形態で接続していた。
 
 - 現在
- LAN(UTP)ケーブルやスイッチ等を用いての接続。
 - スター型トポロジの形態で接続している。
 
 
イーサネットで用いられるケーブルの名前
- イーサネットで用いられるケーブル名は、仕様を表している。
 - 10BASEの [10]、100BASEの [100]、1000BASEの [1000]、10GBASEの [10G]はそれぞれ、10Mbps、100Mbps、1Gbps、10Gbpsの伝送速度を表している。
 - BASEの後ろの [5]、 [2]、 [T]、 [F]などの文字は媒体の違いを示している。
 
イーサネットの歴史
規格の変遷
Ethernetは、同軸ケーブルで接続するDIX Ethernet(バス型のトポロジー)から始まり、IEEE802.3が標準化して、以下の順で規格が発展した。
- 10BASE5(同軸ケーブル)
 - 10BASE2(同軸ケーブル)
 - 10BASE-T(ツイストペアケーブル)
 - 100BASE-TX(ファストイーサネット)
 - 1000BASE-T(ギガビットイーサネット)
 - 10ギガビットイーサネット
 - 100ギガビットイーサネット
 - 上記以外にも数多くの規格が追加された。
 - UTPケーブルにはカテゴリーがあり、高い方が高速な通信に対応出来る。
 
コリジョン回避
以前はCSMA/CDを採用していたが、昨今のインターネットでは全二重が大半を占めるため、ほとんど使われていない。
イーサネットのフレームフォーマット
| 宛先 MAC アドレス (6octet)  | 送信元 MAC アドレス (6octet)  | (オプ ション) 802.1Qタグ (4octet)  | 長さ/ タイプ (2octet)  | データ (46~1500octet) (内先頭8octetはLLCとSNAP)  | FCS (4octet)  | 
802.1Qタグは、VLANのプロトコル。オプションとなっておりこれを使用する時だけ付加される。
 FCSはフレームの後方で、データが壊れていないかを確認する。
問題集はコチラ
次は、無線通信の規格です。






