アナログ電話回線、モバイル通信サービス(いわゆる携帯)、ADSL、光回線サービス、ケーブルテレビ、等様々な回線があります。
また、離れた拠点間を接続したり、家庭と会社をテレワークのために接続したリ、あたかも同じ建物に居る様にするための様々な技術としてWANサービスも取り上げます。
質問などありましたら、お気軽にどうぞ。
目次
アクセス回線
アナログ電話回線
固定電話回線を利用して通信を行うものです。固定電話回線はアナログであるため、パソコン等とのやり取りを行うためにデジタル信号へ変換するモデムが必要です。通信速度は56kbpsで低速なため、ほとんど利用されなくなっています。
モバイル通信サービス
1G、2G、PHS、3G、4G、5Gと規格化が進んできました。現在は4G-LTEが主流で、この規格に対応したスマートフォン等のモバイル端末で利用されています。通信速度も数十Kbps〜数十Mbps程度となり程々に高速です。また、現在普及してきている5Gの規格では、理論値で1Gbps程度の通信速度となりWi-Fiと同程度が実現されます。5Gでは比較的 低遅延な通信環境が提供されます。
ADSL
ADSLは、昔から存在するアナログ電話回線を拡張して利用するサービスです。範囲としては(家庭等の)電話機から電話局交換機までの回線間です。スプリッタと呼ばれる機器を用いてケーブルを次の様に分岐させます。音声用の低周波とデータ通信用の高周波を分離したり混合したりしています。「xDSL」と呼ばれるものの1つで、他にはVDSL、HDSL、SDSLなどがあり、ADSLはxDSLの中でもっとも普及している方式です。回線速度は、下りが1Mbps〜50Mbps、上りが256Kbps~2Mbps程度になります。現在は光回線等の普及によりシェアは小さくなっています。
光回線サービス
FTT〇=Fiber To The 〇〇〇といい、代表的なものに以下の3つがある。
FTTH(Home) :光回線が自宅(オフィス等)内まで繋がっています。次のような順で接続されています。[ISP・回線業者から来た光回線]-[ONU]-[ルータ]-[LAN(スイッチ-パソコン等)]へ接続します。ONUは光信号と電気信号を変換しています。以下の二つよりシェアは高いです。(1Gbps~)
FTTB(Building):光回線をマンションの共用部分にある MDF(主配線盤)というところにつなぎます、そこからはLANケーブルや電話回線などのメタルケーブルを利用して各部屋までつなぎます。(100Mbps~)
FTTN(Node) :多くのケーブルテレビ会社がFTTNを採用しており、途中までは光回線で、途中から同軸ケーブルを利用します。上記に比べると通信速度は遅くなるケースが多いです。(1Mbps~320Mbps)
ケーブルテレビ
ケーブルテレビ会社は放送に使われていない空いているチャネルをデータ通信専用に利用しインターネット接続サービスを提供している。下りは10Mbps~300Mbps程度で、上りが128kbps~5Mbps等遅い場合が多い。
(ケーブルテレビとは、電波の代わりにケーブルを使ってテレビ放送を行う会社。電波受信状況の悪い場所や、アンテナ設置し辛い建物でもケーブルテレビなら受信できる。また、地上波放送以外にも様々な番組がある。)
様々な公衆アクセス網のサービス
専用回線サービスと交換回線サービス
拠点 | 回線 | 帯域保証 | 運用コスト | インタフェース | 値段 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
専用回線 | 2拠点 | 占有 | ○ | 高い | 接続先ごと | 定額制で距離と帯域に応じる | |
交換回線 | パケット交換 | 複数拠点 | 共有 | × | 安い | 共有 | 定額制で帯域に応じる |
回線交換 | 省略 | 占有 | ○ | 安い | 省略 | 重量課金 |
セキュリティ | 接続性 | 信頼性 | サービス | |||
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専用回線 | 高 | 常時 | 高 | デジタル専用線 | ||
交換回線 | パケット交換 | 低~中 | 常時 | 低 | フレームリレー、IP-VPN、広域イーサネット、ATM、X.25 | |
回線交換 | 毎回呼出 | 中~高 | 公衆電話網、ISDN BRI、ISDN PRI |
電話網から発展したWANの物理回線速度
種別 | 回線速度 | 多重度 | 採用国 | ||||
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0次郡(DS0) | 64Kbps | 基本レート | 共通 | ||||
1次郡 | T1 | 1.544Mbps | DS0×24ch | 北米等 | |||
E1 | 2.048Mbps | D00×32ch | 欧州等 | ||||
3次郡 | T3 | 44.736Mbps | T1×28本 | 北米等 | |||
E3 | 34.368Mbps | E1×16本 | 欧州等 |
パケット交換方式のサービス
名称 | 説明 | |||||||
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フレームリレー | X.25を簡略化したもので、VPNが登場する前は複数拠点をつなぐメジャーなWANサービスだった。 | |||||||
IP-VPN | 現在最もメジャーなWANサービスで、暗号化を用いてセキュリティを確保している | |||||||
広域イーサネット | イーサネット回線でレイヤ2での中継処理を行うため、企業内のLAN用機器がそのまま使えるなどのメリットがある | |||||||
ATM | 固定長セルを特徴とするネットワークで、イーサネットよりも高速な通信を実現する | |||||||
X.25 | OSI参照モデルよりも古くから存在する、パケット交換方式 |
名称 | 処理階層 | 網 | 回線 | 速度 |
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X.25 | ネットワーク層 | 公衆データ網 | 専用 | 遅い |
ATM | データリンク層 | ATM網 | 専用 | 速い |
広域イーサネット | データリンク層 | 事業者イーサネット網 | 一般回線 | 一般的 |
IP-VPN | ネットワーク層 | VPN網 | 一般回線 | 一般的 |
X.25 | データリンク層 | フレームリレー網 | 専用 | 64kbps~1.5Mbps |
WANへの接続
名称 | 説明 |
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DTE | LAN内のルータやPCなど |
DCE | 通信事業者から提供されるモデムやONUなど |
CPE | 宅内に設置される、データ端末や回線終端装置などを総称して |
分界点 | 電気通信事業者とユーザの責任範囲を分離する |
ローカルループ(アクセス回線) | ユーザの家からCOまでの回線 |
CO(Central Office) | プロバイダや電気通信事業者等の施設で、家や会社からの回線の行き先 |
次は、ネットワーク層の概要です。