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ネットワークの基礎となるのが階層(カテゴリー分)です。階層の表し方にはOSI参照モデルとTCP/IPモデルが使われています。その中のインターネット層、トランスポート層、アプリケーション層についての概要を説明していきます。
以前のネットワーク基礎で学習した内容と重なる部分も多くありますが、階層を知っていることはとても大切なためしっかりと覚えましょう。
前ページまでと同じ内容は、緑色文字で記載いたします。
補足説明(間接的な事柄の説明 等)は、灰色文字で記載いたします。

目次

インターネット層(ネットワーク層)

TCP/IPモデルのインターネット層

  • 代表的なプロトコルには以下の3つがある。
    • IPアドレス とは
      ネットワーク上に存在するすべての機器に割り振られる固有の住所のようなもの。
    • ICMP とは
      通信が届いているかどうかを確認するためのプロトコル。
    • ARP とは
      パケットのIPアドレスから物理的なアドレス(MACアドレス)を取得するプロトコル。
  • 第3層に位置する。
  • ネットワークインターフェース(データリンク)層とトランスポート層の橋渡しをする。
  • 主となるプロトコルはIP。
  • PDUはパケットという。
  • 宛先まで経路を選んで届ける役割。
  • L3以上で働くすべての機器(パソコンやルーター等)は、必ずその機能を備える必要がある。
  • インターネット層(ネットワーク層)として利用される機器は、ルータやL3スイッチがある。

トランスポート層

TCP/IPモデルのトランスポート層

  • 第4層に位置する。
  • アプリケーション層(セッション層)とインターネット(ネットワーク)層の橋渡しをする。
  • PDUはセグメントという。
  • ポート番号とアプリケーション層を関連付ける。
    • ポート番号でどのアプリケーション宛かを区別している。
    • コンピュータの内部では、複数のアプリケーションが同時に動作している。
    • 送信側と受信側にて、意図したアプリケーション同士で通信が出来る様にする。
  • データを分割する、分割されたデータを組みなおす。
  • トランスポート層の代表的なプロトコルは以下2つである。
    • TCP
      • コネクション型
        • 信頼性のある通信
        • コネクションの確立/切断をする。
        • パケットが無くなった場合、再送する。
    • UDP
      • コネクションレス型
        • 信頼性のない通信
        • 速度重視
        • 以下の様な用途に向いている
          • パケット数が少ない通信
          • ブロードキャストやマルチキャストの通信
          • ビデオや音声などのマルチメディア通信

アプリケーション層(セッション層以上の上位層)


TCP/IPモデルのアプリケーション層

  • TCP/IPモデルのアプリケーション層は、OSI参照モデルのセッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層を併せた所になる。
  • 通信を伴うアプリケーションの多くは、クライアントとサーバーが作られている。
  • アプリケーションは、サーバー・クライアント共に要求を満たす様に成っている。
  • アプリケーション層とそれ以外の階層は独立している。
  • アプリケーション層(セッション層以上)はアプリケーションからさほど独立していない。(アプリケーションの機能に応じて作られている。)
  • 各アプリケーション(サーバとクライアント間のやりとり)毎にプロトコルが存在する。
    (但し、様々なアプリケーションがWEBページを使用している。)
よく使うアプリケーションの例を、以下に5つほど紹介します。

Webサービス

  • クライアントはWebブラウザというソフト
  • サーバーに置いてあるホームページを閲覧する。
  • Webブラウザとサーバーの間の通信で使われるプロトコルがHTTP(HyperTextTransferProtocol)である。
  • ホームページ用の言語(データフォーマット)は、HTML(HyperTextMarkupLanguage)である。
  • アプリケーション層がHTTP、プレゼンテーション層がHTMLともいえる。

電子メール(E-Mail)

  • アプリケーション層のプロトコル
    • 電子メールの送信は、SMTP(SimpleMailTransferProtocol)を利用する。
    • 電子メールの受信は、POP3、IMAP4を利用する。
  • プレゼンテーション層のプロトコル
    • 電子メールで送信できるデータ形式を拡張するMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)を利用する。
      (添付ファイルとして)映像や音声のファイルなどさまざまな情報を送ることができる。

ファイル転送 とは

  • FTP(FileTransferProtocol)
  • ファイル転送のためのプロトコル
  • 主な機能としては以下の2つである。
    • ダウンロードとは、異なるコンピュータ上に存在するファイルを自分のコンピュータに転送すること。
    • アップロードとは、自分のコンピュータのファイルを別のコンピュータへ転送すること。
  • 2つのTCPコネクションを確立する。
    • ファイル転送の指示をするための制御コネクション
    • データを転送するためのデータコネクション

遠隔ログイン とは

  • 別のコンピュータにログインして、操作する。
  • 代表的なプロトコルとしてはTELNETやSSHが利用される。
  • TELNETやSSHはCUI(コマンドでの操作)となる。
  • TELNETは暗号化されていないため、暗号化されているSSHが利用されることが多い。
  • 代表的なGUI(マウスやタッチでの操作)の遠隔ログインプロトコルとしては、VNCやRDP(Windowsのリモートデスクトップ)が利用される。

ネットワーク管理 とは

  • 人間の代わりにソフトがネットワーク管理・監視を行う。
  • SNMPというプロトコルが利用される。
  • 管理・監視される機器やホストをエージェントという。
  • 管理・監視を行う(サーバー)ソフトをマネージャという。
  • SNMPでは、様々な情報を管理・監視出来る。
    たとえば、リソース(CPU、メモリ、HDD等)の消費量やインターフェースの通信量など。